着物LIFE

着物のあるくらし

柄で決まる着物

夏には薄手の夏物の洋服を、冬には冬用の温かい洋服を着るのが普通です。着物の場合、そういった季節に合った素材を着るということの他に、季節の柄や行事に合わせて着物を変えるのがマナーです。季節に合わせた着こなしが柄で決まる着物の場合、あまりに季節はずれの柄の着物を着ていると、恥をかいてしまうこともありますので注意が必要です。昔に比べると、そのような決まりごとにとらわれず、自由に着物を楽しむ傾向が強くなってきてはいますが、年配の方やマナーを重んじるような方には、あまりよく思われない場合が多いので、最低限の柄のマナーくらいは押さえておく必要があります。

ただ、あまり、ルールにこだわりすぎると、せっかくの着物の醍醐味を感じられなくなってしまい、楽しんで着ることができなくなってしまいますので、そのへんの加減は少し緩めにしていいと思います。ガチガチに堅く「今の季節はこの柄じゃなきゃいけない」と決め込むのではなくて、着物の素材、柄の種類、それからコーディネートなど、それらすべての組み合わせによって、自然と季節感を大切にした着こなしができるようになれば、それが一番好ましいでしょう。

楽しんで着ている人のほうが、ごく自然に季節ごとのルールを取り込んで着こなしているものです。 着物によくある一般的な柄としては花柄があります。その花の咲く季節に着るのがマナーになっていますから、比較的着る時期を考えるのが容易です。たとえば、5月ならば牡丹や百合、若竹などの柄が適しています。さわやかな季節なので、地色も中間色の明るめのものがよいでしょう。6月に入ると着物は単衣に替わるのが基本です。単衣に替わったばかりの時期は濃い地色のものを着るのが昔からの習慣です。たとえば、紫、赤、藍、濃い利休鼠などが代表的です。

そこに、紫陽花や花菖蒲、著莪、露草などを配して涼しげな雰囲気を醸し出します。着物の色が濃いめなので、帯などの小物に冷たく澄んだ色のものをもってくると、非常に凛とした印象的な雰囲気になります。6月はジメジメとした季節ですが、色や柄の組み合わせによって、涼風が吹き抜けていくような爽やかさを演出することが可能です。7月になると、柄は朝顔や夏草、睡蓮などに変わります。またこの季節に合った流水、舟、橋、七夕の短冊などの柄もよく見られます。さらに、8月ともなれば、柄は秋の訪れを感じさせるものが中心となっていき、薄、撫子、萩、桔梗などに変わっていきます。このようにして見てみると、季節のルールは決してつまらないものではなく、むしろその季節を楽しむために存在するのだということをしみじみと実感します。

Copyright©2013 着物LIFEAll Rights Reserved.